写真提供:広島県
広島県のかきの生産量は、むき身で17,294トンと、全国の62.9%を占め、全国第1位です。
(平成28年 [農林水産省:漁業・養殖業生産統計年報])
これには、美味しいかきの生育に適した広島湾の環境があります。
写真提供:広島県
広島湾は能美島や倉橋島、厳島などの島や岬に囲まれた穏やかな地形に恵まれ、そこに太田川水系をはじめとする多くの河川が流れ込んでいます。この天然の環境が美味しいかきを生み出す、海水の塩分濃度、豊富なプランクトン、広大な干潟、大きな干満差、穏やかな海といった恵みを提供しています。
広島湾に注ぎ込む河川水は、かきの産卵時である梅雨時から夏にかけて海水に塩分濃度の差による層をつくり、これによって生じる少し薄い海水(甘い水)をかきは好みます。 また、河川からはかきの餌であるプランクトンやプランクトンの増殖に必要な栄養塩も豊富に流入してきます。また、島や岬で閉鎖された湾は、このプランクトンや、真かき幼生の流出を防ぎ、湾内に留めてくれています。
天然の真かきは、満潮と干潮の間の潮間帯に生息しますが、多くの河川が運ぶ砂や、瀬戸内海の中でも大きな干満差により、広島湾にはかきの生息に適した大きな干潟面積が形成されました。この干満差は、かきは一定時間空気中にさらすと抵抗力で良質になるという特性をいかし、養殖にも活用されてきました。
写真提供:広島県
広島湾では、縄文、弥生時代からかきが食べられていたことが、比治山貝塚、他で出土したかき殻によって確認されています。
養殖への移行時期は、定かではないものの、天文年間(1532-1555)に始まったという説があります。水産庁は最古の記録として、「延宝年間(1673-1681)に養殖法を考案と『廣島かき養殖場ニ関スル成跡書』に記しています。
江戸時代には、養殖業者が大消費地の大阪まで、かきを運搬し、そのまま係留してかきを販売、後に、かき料理を提供するかき船が登場しています。
写真提供:広島県
このように、江戸時代から流通してきた広島かきは1932年(昭和7年)初めて行政・生産組合による安全対策が規定され、現在でも県が独自に条例を定めるなど、食品衛生上の安全対策は、他産地と比べても、作業場の許可制を含め、かなり厳重に施されています。
かきは、海水を大量に吸引しプランクトンを食べるため、直接海水の質に影響を受けます。また、生かきのように、加熱せずに味わうことが好まれるため、県では、海水とかきのサンプリング調査を行い、生食としてすぐに出荷できる清浄海域をはじめとした海域を指定し、厳格に管理しています。
ひろしまブランドショップTAUでは、清浄海域の生かき(季節限定)をはじめ、生産量日本一の広島県ならではの、バラエティにとんだ、かき商品をお届けしています。